感想文「流浪の月」

感想文

毎朝、通勤中にAmazonのAudibleで本を聞いているのですが、あなたのオススメと言うことで流浪の月がピックアップされていました。

評価も良く、どんな話なんだろうと聞いて見たら、

めちゃくちゃ面白かったです。

流浪の月は

“サラサ“という少女と、サラサを誘拐した世間的に小児性愛者と言われる青年“フミ“の物語です。

よかったところ

  • ストーリーがハラハラドキドキさせる
  • 登場人物が魅力的
  • 文章がとてもきれい
  • Audibleの声がよかった

ストーリーがハラハラドキドキさせる

流浪の月は、設定からしてグッと人を惹きつけます。

どこか世間からずれた家族。

家族の中で取り残された少女。

小児性愛と言われる男性との出会い。

叔母の家、メインとなる男性の家、大人になった少女を取り巻く人々環境。

どの部分をとっても少女を取り巻く環境がどこか不安定で、タイトル通り安定しない月のようにさまよう姿にずっと目が離せませんでした。

場面場面でサラサに出会う人々は、きっと最終的にはこうなるのだろうと予測を立てていても、

そこに行き着くまでの展開が臨場感たっぷりで作られており聞いていて夢中になりました。

早く先が知りたくて仕方がありませんでした。

登場人物が魅力的

主人公の女の子(サラサ)

取り巻く環境の変化は彼女にとって過酷である場合が多いのですが、

彼女自身は、落ち着いてどこか覚めているような感じです。

けれど彼女なりに常に精一杯生きていることが伝わってきます。

本来は明るくお転婆な彼女が置かれた環境によって性格が変わってしまったりする事が、悲しく感じられました。

がんばれ、がんばれと応援したくなるような、そんな印象与えてくれます。

そしてもう1人の重要人物。フミ。

彼も心に大きな悩みを抱えている青年です。

この青年の心を覆っている悩みと言うものが終盤にひもとかれていくのですが、そこがまた面白い。

ミステリアスな、美少年を感じさせるような容姿なのですが、

そこに、小児性愛者と言う一般的に許されざる思考を持っていると言うところが絶妙なバランスで書かれています。

彼の、心の奥底に迎えられている本当の悩みが明らかになるにつれ、この青年の抱えているものの大きさに胸が苦しくなります。

文章の綺麗さ

私はこの方の本を読むのは初めてなのですが、とても読みやすい文章です。

心を表現する表現の仕方が、とても繊細で、綺麗でした。

例えが上手い人の文章にとっても弱いのですが、凪良ゆうさんは、例えがすごく上手!

引用

あの頃の寂しさや悲しさや惨めさを、しっかりとした言葉で組み立てて、お城を立ててしまったら、私はそこに閉じこもって抜け出せなくなったかもしれない。

だからと言って全てが消えてなくなった訳ではない。

あの頃の私の中の寂しさや怒りは、私の心の中で静かに言葉を持たない動物のように丸まって眠っている。

流浪の月  三章 彼女のはなし

※Audibleで聞いた言葉を文字起こししたので、実際の文章とは異なる可能性があります。

心の暗い部分の表現をこう表すのかと表現力の豊かさにとても感動しました。

この表現の仕方が私はすごく好きで、こういう表現の文章を知れたことだけでも幸せでした。

Audibleの声が良かった

そしてこれはAudibleを聴いている人だけの人だけしかわからないのですが

ナレーションの方の声がすごくよかったです。

透き通るような声で、とても聞きやすかったです。

土師亜文(はし あふみ)さんという方です。

1人で全ての人を演じられていたと思うんですが、

それぞれ音色を変えていて声のプロの人はさすがだなぁと思いました。

流浪の月、実写映画化もされていたようで、

なんと配役が、広瀬すずさん、松坂桃李さん。

最高のキャスティングじゃないですか!

残念なことに、私の住む地方では、上映をされていませんでした。

絶対レンタルができるようになったらすぐに借ります。

またその時も感想を書きたいと思います。

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流浪の月
2020年本屋大賞受賞作。あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。 ©凪良ゆう・東京創元社・RRJ Inc. (P)凪良ゆう・東京創元社・RRJ Inc....

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